幼い頃から、何かをつくることが好きでした。小さく切った折り紙で鶴を折り、頭に浮かんだものを形にする時間は、今も変わらず私にとって創作の原点です。
アメリカ、そしてメキシコで暮らしました。
アメリカでは、人と違うことが個性として受け入れられる文化に触れ、自分らしくいることに自信を持てるようになりました。メキシコでは、伝統工芸が人々の暮らしの中に自然と息づいていることに感銘を受けました。工芸品が飾られるだけではなく、日常的に使われ若い人にも受け継がれている。その古来より受け継がれた物と現代のテクノロジーが共存する姿は、今のものづくりにも影響を与えています。
また当時、異国での暮らしを、より自由に楽しめたのは、愛犬GIULIAの存在があったからです。言語を学び、人と関わり、文化に溶け込むきっかけをくれました。
ジュエリーの技法を学ぶために訪れたフィレンツェでは、美しいものを生み出す人々の生き方に深く惹かれました。いつ見ても眩い店頭の銀食器が毎日磨かれていたこと、エスプレッソから始まる工房の朝、創作に向かう圧倒的な集中力。そして昼にはトマトソースについて熱く語り合うグランマエストロ。仕事も暮らしも楽しむ姿勢が、今も私の心に残っています。
もし何のコンプレックスもなかったなら、白いTシャツとジーンズそんなシンプルな装いで満足していたかもしれません。でも現実は違いました。
「こんな服があったらいいのに。」
その想いが、服をつくるきっかけになりました。
私が目指しているのは、人を変える服ではありません。その人が少しだけ前向きになれたり、「今日これを着たら楽しく出かけられそう」とそっと前向きにしてくれる存在です。
Se puoi sognarlo, puoi farlo.
「夢を描くことができれば、それを実現できる。」
若い頃聞いたこの言葉が心に残っていました。憧れの車を迎えた時、ショールームで目にしたのも壁にディスプレイされた Enzo Ferrari のこの言葉でした。
年齢に関係なく、新しいことに挑戦すること。思い描いた未来を、自分の手で形にしていくこと。
その想いを大切にしながら、一着ずつていねいに形にしています。